アスデッサン初の試みとなる年間プログラム「アスデッサン探究プログラム」は、
國學院大學久我山高等学校に提供していた19コマを、2月26日に無事すべて終了いたしました。
(※学校側の感染症対策方針に従って運営しております。)
1,2年生の計920人に対し、社会人講演や、映像と放送室からのアナウンスを用いた半リモート授業を一年間実施してまいりました。
<「アスデッサン探究プログラム」のコンセプト>
本プログラムは、アスデッサンが考える「自分らしい未来を描く」ために重要な3つの要素を体系的にまとめた「アスデッサンモデル」に基づき実施しています。
生徒自身が自己理解を深め、納得できる将来像をイメージできるよう授業を設計しています。
また、このプログラムを通じて、問いを立て、情報を収集・整理し、意思決定を行うプロセスを経験できるように、参加型のワークやディベートを多く盛り込んでいます。これらの要素が互いに関係して影響し合うことを想定し、授業を通じて、自分らしい未来を描いていくための姿勢・態度も同時に形成されると考えています。
<年間プログラム>
★は半リモート授業、◎は社会人が訪問授業
◎1コマ目:オリエンテーション&社会人講演
★2~3コマ目:初期の「ありたい姿・将来像」をイメージする導入ワーク
★4コマ目:価値観ワーク
★5~7コマ目:キャリア観ディベート
★8コマ目:1学期の振り返り
★9コマ目:ロールモデルビンゴ
★10~11コマ目:ありたい姿を考える20の問
★12~14コマ目:ありたい姿を実現する「仕事探し」ワーク
★15コマ目:「人生で大切にしたいテーマ」ワーク
★16コマ目:1,2学期の振り返り&ありたい姿の実現に向けたワーク
★17コマ目:継続・習慣化ワーク
◎18コマ目:社会人講演
★19コマ目(1年生のみ):年間振り返り&来年度オリエンテーション
<3学期実施の概要>
- 17コマ目
- 2学期の授業と冬休みの課題を踏まえて、ありたい姿の実現に向けて「継続的」な取り組むためのワークショップを開催しました。行動を継続・習慣化するための難しさについて言語化したり、グループで継続するための工夫を共有し合ったりしました。
- 18コマ目
- 初回の授業と同様、社会人が訪問し、自身のキャリアや人生で大切にしたいテーマについてお伝えしました。
<生徒の感想や気づき(一部抜粋)>
【2年生】
・この授業が始まる時授業時間外のカリキュラムを入れられて結構な不満があったが、いざ始めてみれば意外とためになることも多く将来に役に立つ一つの時間になったなと思いました。
・自分がどのような仕事をしたいのか、その仕事をするために何が必要なのかを知ることができて良かったです。ただ、受験のためだけに勉強しているわけではないということにも気づくことができました。
・元々将来なりたいことが定まらず、不安なまま迎えた高校2年生だったが、探究の授業を通して少しずつ自分のやりたいことが明確になってきたと共に、クラスメイトやグループ内の他の人の決意や悩みを聞くことで自分の考えに上手く反映させることが出来た。とても有意義であった。ありがとうございました。
・自己分析してみる経験はあまりなかったので、自己探究カードやこのようなアンケートの記述を繰り返すことで自分が普段どんな価値観で行動し、将来何をしていきたいのか視覚化することができたのがとても良かったと思う。
【1年生】
・今まで知らなかった自分や、向き合うことを諦めていた自分を理解し、改善しようとすることができた。
・1年前は自分のなりたい姿をあまり想像することが出来ませんでしたが、探究の授業を通じてどんな人になりたいかを想像することができるようになりました。また、自分の想像する人になるためにどんなことをすればいいかも知ることが出来ました。・興味のある職業などを自発的に調べようとするような性格ではないので自分の将来について考える有意義な時間だった
・4月の時点では私は将来のビジョンを全く考えることができていませんでした。しかし、一年を通して少しは考えるようになり大人になるために一歩前進できたのではないかと思いました。どのような大人になりたいかの理想像は少しずつ固まっていたので、来年度は具体的にその理想像に近づくためにどのような学問を学ぶべきなのか、どのような職業を選択すれば良いのかを学びたいとおもいました。
・もっと将来のことについて考える機会が欲しいと、思いました
<担当者より>
ご依頼の段階で、多くの生徒にとって「進路」とは、眼の前にある「大学進学」のことであり、大学のネームバリューや偏差値にとらわれ過ぎて、将来に対する視野が狭まってしまっている子もいるのではないか、とご相談をいただいていました。
将来について、高1、高2のタイミングで考えぬくことが、必ずしも「大学進学」にとっての最善の選択につながるわけではないかもしれません。ただ、考えるためのフレームを知ることや、考えぬいた経験は、この先のどこかの「選択の場面」で生徒にとって支えになる、との思いで年間のプログラムを計画しました。
その背景には、私自身が高校生のころに、周囲の大人に勧められた将来像にふと疑問を抱き、自分で将来を考えてみようと藻掻いた経験が影響しています。自分で考えて選択をしつづけた分、悩みも尽きませんでしたが、社会人になってからキャリアの選択を迫られる場面では、考え方が何となくつかめており、より自分がハッピーな選択をすることができています。
将来像は、一度考えて終わるものではありません。就職、異動、転職、ライフステージの変化など、大人になってからも何度も考える場面があります。
そのため、「アスデッサン探究プログラム」では、唯一無二の将来像を獲得することではなく、今の自分にとって納得のいく将来像が描けている状態となること重視しました。生徒たちにとって、1年もその問いに向き合い続けることは大変だったと思います。ただ、この経験が、この先の様々な場面で「自分らしい未来を何度でも描き直せる」ための資産になっていたら嬉しく思います。
2023年度の探究プログラムでは、半リモートでの実施を導入したことで、より多くの生徒に同時にキャリアの授業を届けることが可能となりました。
大人がその場にいなくても、ポッドキャストやウェブ記事を通じて多様な価値観と出会い、自己理解を深めるワークショップを多数開発できた一方で、普段会わない大人との出会いや対話によってその場で生み出される生徒の興味関心・価値観の広がりを半リモートで実現する難しさもありました。
今年度を踏まえ、2024年度はよりインタラクティブな授業を計画中です。様々な業界で働く社会人が学校を訪問し、ともに仕事について学ぶ講話やワークショップ、また、自分の「探究テーマ」に基づいた社会人インタビューなども想定しています。
公募制とし、より密度の高い「キャリアについて考える時間」を提供してまいります。
今後の様子も、引き続きホームページ・SNSでお届けしていきます。
【先生向け】学校での授業導入のご相談はこちらから
https://www.asdessin.org/program
【中高生向け】社会人から仕事や進路選択の話を聞いてみたいという方はこちら
https://www.asdessin.org/miraidoor